○ 公益社団法人地盤工学会賞 論文賞

○ 受賞年月日 :平成23610

○ 受賞者

   岡山大学大学院環境学研究科 助教 藤澤和謙
    京都大学大学院農学研究科     教授 村上 章
   岡山大学大学院環境学研究科 教授 西村伸一



■ 授賞理由


・論文題目 「Numerical Analysis of the Erosion and the Transport of Fine Particles within Soils Leading to the Piping Phenomenon」

論文内容

 本論文は、連続体力学を基礎とした土質力学の範疇では従来困難と考えられてきた、土の侵食・ハイピング現象の解析・再現に取り組んだ論文である。侵食速度の概念を導入することにより、連続体力学における諸量をもとにして土の内部侵食の解析を可能にしており、特にパイピングによる長期的な解析で「水みち」まで再現している点は、明快かつ斬新なアイディアの独創性で、高く評価できる。本手法を用いると今後は河川堤防や斜面の地下水位の挙動、降雨による不安定化や崩壊現象の解明に対しても取り扱うことができると考えられ、それらの対策工法の検討に利用できるなど、その実用性は高いと判断でき、本論文は論文賞(英文部門)としてふさわしいと認められた。