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研究の概要

土構造物の内部侵食

土の内部侵食は、観察が難しい現象であるため、その予測はさらに困難となります。当研究室では、実験及び数値シミュレーションの両方からこの現象の理解と予測を試みています。「侵食」は固体力学と流体力学の境界領域に位置する現象であり、学術的にも発展性のある研究トピックとなっています。下図は、内部侵食の典型であるパイピング現象の数値シミュレーションを行った結果(赤い箇所が侵食が発生した部分であり、右の浸透流の出口から左に向かってパイピングが発展する様子を再現)です。左から右へ流れる浸透流の出口から後退侵食によりパイプに似た形状の水みちが生じるパイピングの様子を表現することに成功しました.

    
決壊したため池(淡路島) 
         
パイピングの進展過程の数値シミュレーション

公表論文

Fujisawa, K., Murakami, A., Nishimura, S. and T. Shuku (2013): Relation between seepage force and velocity of sand particles during sand boiling, Geotechnical Engineering Journal of the SEAGS & AGSSEA, Vol.43, No.2, pp.8-16.

藤澤和謙,村上 章,西村伸一(2009):土の内部で生じる土粒子侵食の解析手法,農業農村工学会論文集,第260号,pp.85-93.

藤澤和謙,村上 章,西村伸一(2009):侵食速度を用いた土粒子流亡によるパイピングの進展解析,応用力学論文集,土木学会,Vol. 12,pp.395-403.

K. Fujisawa, A. Murakami, S. Nishimura (2010): Simultaneous Modeling of Internal Erosion and Deformation of Soil Structures, Geoenvironmental Engineering and Geotechnics: Progress in Modeling and Applications (GSP204), ASCE, pp.71-78.

K. Fujisawa, A. Murakami and S. Nishimura (2010): Numerical analysis of the erosion and the transport of fine particles within soils leading to the piping phenomenon, Soils and Foundations, Vol. 50, No. 4, pp.471-482.

藤澤和謙,西村伸一,中谷亜友美,村上 章(2012):上向き浸透流による浸透破壊時の砂粒子の移動速度,農業農村工学会論文集,第281号,pp.35-42.